STALKER SFPS日記20 コントロール・ユニットを切れ

Shalhalov教授の一方的な最後通牒とも思える通信が切れると
辺りは地下独特の静けさに包まれた。
音がしない訳ではない。何か正体の判らない物が動き回っている音、
金属の軋む音、耳鳴り。音は溢れてさえいるがそれが何なのか理解したくないのだ。

フラッシュライト一つでこの暗闇を進まなければならない理不尽に頭を抱えたくなる。
幾らも進まない内に地上と変わらない惨状が目に入った。
焼け焦げた何処の陣営の者か判らない物体、
壁にこびり付いた血痕、嫌な匂いのする何かの破片・・・
通路はいきなり途切れ、目の前に昇降機が現れた。
下を見るとメンテナンス用のタラップが見える。
壁のスイッチは押してみても反応は無い。

朽ち掛けたタラップをソロソロと降りると途中からタラップがへし折れていた。
床はもうすぐの所に有って、飛び降りても怪我をするような高さではないが
降りてしまえば自力では戻って来る事は出来ないだろう。
降りてしまえば、嫌でも先に進むしかない。

タラップから手を離し地下へ飛び降りる。
昇降機の入り口から漏れてくる明かりを除くと
通路がさらに奥に伸びているのが見えた。何かが動き回っている気配が濃くなる。

通路の奥から何かがのっそりと姿を現した。
教授の言っていたゾンビ共だだった。

ノロノロとコチラに銃を向けて来るのを移動研究所から持って来たSPAS12で吹き飛ばす。
何も出ないなら地下の空気に精神がやられそうになるが
ポツポツと襲ってくるゾンビのお陰か黙々と先へ進む。
いきなり目の前が開け、巨大な円筒形の柱が目に入った。
同時に警告音が耳に飛び込んでくる。

「警告!致命的な放射レベルです!即座にこのエリアから退避してください!」
同時にキーンと言う耳鳴りが襲って来た。
Psi-Armorのカウントダウンが始まった。
ここかX16の中心部か!?

制御室らしい物は遥か上に見える。円筒形の柱に巻きつくように伸びている
階段を駆け上がらなければならない。
そして階段にはゾンビの群れが。残り時間は3分30秒、うかうかとはしていられない。
見える範囲のゾンビに有りっ丈の弾丸を撃ち込み通路を確保する。
階段上にはゾンビの他にBurnerのアノーマリーが所々炎を吹き上げている。
階段を上がり、制御盤のレバーを押し下げた。

「C-23ユニット解除、セキュリティ担当者に報告して下さい。」
警告音が鳴り響く。幾つユニットは有るんだ!?
耳鳴りは限界を越え、頭を抱えてうずくまりそうなる。
よろよろと階段を上りきり、3個目の制御盤のレバーを押し下げた。
「C-21ユニット解除、セキュリティ担当者に報告して下さい。」

階段で蠢いていたゾンビの姿はもう無い。
後は制御室だけの筈だ。残り時間は40秒。
残りの100メートルを程を走りぬけ、制御室に飛び込んだ。
円筒形の柱の頂上に巨大な物が浮かんでいるのが制御盤越しに目に入った。

それが何か考える余裕も無しに目の前の制御盤のレーバーを押し下げた。
一際大きな耳鳴りに押しつぶされるように目の前が真っ暗になった。

目の前に沼地が広がっている。
幾つかの場面がフラッシュバックのように目の前に流れ消えていった。

気が付けば床に倒れ込んでいた。
気の失いそうな耳鳴りは止み、柱は沈黙していた。
Psi-Armorは反応を示さない。放射機を止める事が出来たのか?

再び廻りは静けさに包まれた。
制御盤の上に置かれていた書類の束を手に取ると、
遠くから回転灯のキィキィと軋む音が聞こえて来た。
来た道は使えない。何処か出口を探さなければ。
制御室を抜け風の流れを頼りに奥の通路に足を進める。
行き止まりに有った扉を潜るをいきなり吹き飛ばされた。

歪む視界で吹き飛ばされた先を見ると、
部屋の奥にはAprogramで見た包帯男の姿が有った。
何故ここに?同じ奴が他にもいるのか?とにかく何処かに隠れなければ・・・

ふっと何かが引っかかった。隠れる場所を探していた筈だったが
包帯男の足元に転がっている物に視線が引き寄せられた。誰かが倒れている。
包帯男がゆっくりとコチラに向かって腕を上げていく。
隠れるべきか?反撃するか!?
体は勝手に動き、包帯男の目の前に飛び込み
5.56mm弾をフルオートで叩き込んだ。

一瞬で戦いは終わった。
視界はグニャグニャと歪んでいるが倒れた男が起きだして来るような気がして
銃口を逸らす事が出来ない。
歪みが治まると包帯男がとっくに息をしていない事に気づいた。
何か正体が判るような物を持っていないかと懐を漁ってみたが
前回と同様何も出てこなかった。結局コイツが何者かさえ判らない。

包帯男から離れ、倒れている男の所に足を運んだ。
地上に有った軍の物でも無く、制御室の周りにいたゾンビの同類でもない。
比較的、そう比較新しい遺体だ。
懐を漁ると書類の束とFlashDriveが出てきた。
音声が残されている。再生ボタンを押した。

「もし、Strelokが生きていたら、何処でDocを見つけられるか知っている筈だ。
Guideを探さないといけないが、今は目の前の任務を続けるしかない。
Vasilievは数には入らない。アイツは足手纏いでしかない。」
・・・
「Vasilevは怖気づいて制御室のプラグを抜かずに逃げ出した。
アイツを信用すべきじゃなかった。
Strelokなら、決してアイツを信用はしなかっただろう・・・
俺の残された最後の道はControllerをやり過ごしてここを抜け出す事だ。」
音声には聞き覚えが有った。
Aprogramの地下で聞いたGhostの声だ。
目の前の遺体を見下ろす。こいつがどうやらGhostのようだ。

唯一の手掛かりだと思っていた男から何も聞けなくなってしまった。

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