Twin Sector日記04 Spreading


エレベーターは静かに昇っていく。
「ナンバー・ナイン。聞こえるかな?」
「聞こえるわ。どうしたの?」

「私はセキュリティ・トレーサーが不穏な動きをしているのを見つけた。
君が目覚めて以来、君を追尾しているように見える。
追尾システムは君のナンバー、61-9にセットされている。」
「私の番号に?どう言う事!?」

「まだ私には判らない。しかし君は正しかったかも知れない。
我々はもう、一人ではない。」
突然エレベーターが止まった。
「オスカー!一体何?聞こえてる!?」
「聞こえている。エレベーターが止まってしまった。
動かせるか試してみよう。」
エレベーターは下降を始めた。

「下へ向かってる!?」
ガタガタと揺れるエレベーターがまた停止した。

「エレベーターはこのままでは落下してしまうだろう。そこから出た方が良い。」
エレベーターの天井が開いた。
見上げれば果ても見えない程延々とシャフトが続いている。
「オスカー!何が起こっているの!?聞こえてる!?」
「上のフロアで火災が発生したようだね。それだけは判る。
シャフトから脱出してくれないか。」

エレベーターの屋根に上った。シャフトは何処までも続いているように見えるが
所々にパイプが張り巡らされている。ジャンプして行けば開いている通路へ
飛び移れるだろう。
「ナンバー・ナイン。この火はこのフロア全体に広がろうとしている。」

「出口は!?」
「まだ。だが私は近くのエレベーターを動かそうと試している。そのまま進んでみてくれ。」
レーザーバリアに守られたシャッターを爆破して進むと目の前は一面火の海だった。

「通路の行き当たり、左側の扉がエレベーターへの唯一の道のようだ。」
飲料水のボトルでなんとか通れるだけの幅の炎を消し止めて扉を抜けた。
炎はまだこの通路までは燃え広がっていないようだ。

「良くやってくれた。エレベーターはもう直ぐだ。」
通路を曲がるとエレベーターが見えた。
が、目の前で炎に包まれて落下してしまった。

「・・・・唯一のエレベーターは行っちゃったわ。」
「そのようだね。傍のメンテナンス・シャフトを伝って抜け出して欲しい。」
部屋の隅のダクトに潜り込みその場を離れた。
曲がりくねったダクトを抜けるとまた別のエレベーターシャフトに辿り着いた。

しかし、エレベーターは見えない。
下のフロアの出入り口は見えるが飛び移れるかどうか。
「ナンバー・ナイン。炎は制御できない程燃え広がっている。
なんとかして止めなければならない。シャッターを全て閉じてくれないか。」
なんと言う無茶振り。文句を言いたい所だがその余裕も無さそうだ。
グローブを使って飛び降り、順にシャッターを止めて行く。
どの位下っただろうか。炎は見えなくなっていた。

「よろしい、君は全てのシャッターを閉じた。急いでエレベーターに乗って。早く!」
慌ててエレベーターへ乗り込む。先程までの熱気が嘘のようだ。
「よろしい、そこは今安全だ。スプリンクラーがやっと作動したようだね。」
「全部シャッターは閉じちゃったわ・・・」

誰かが嫌がらせをしているようにしか見えない展開だ。
「私はこの火災は偶然では無いと考えている。」
「何を言ってるの?誰かがこれを仕組んだって言うの!?」
「そう、恐らく君にセキュリティー・トレーサーを送った者と同じだろう。
私はもう一度調べて見ることにする。しかし、これは私が想定した以上の
何かが起こっていると言う事になる。」

エレベーターは停止した。一体何が起ころうとしているのだろう?

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